○岩泉町における外部の労働者等からの公益通報制度実施要綱

令和5年3月20日

告示第32号

岩泉町における労働者からの公益通報制度実施要綱(平成20年岩泉町告示第16号)の全部を改正する。

(目的)

第1条 この告示は、公益通報者保護法(平成16年法律第122号。以下「法」という。)及び「公益通報者保護法を踏まえた地方公共団体の通報対応に関するガイドライン(外部の労働者等からの通報)(令和4年6月1日消費者庁。以下「地方公共団体向けガイドライン」という。)の趣旨を踏まえて、岩泉町(以下「本町」という。)において外部の労働者等からの法に基づく公益通報及びその他の法令違反等に関する通報等を適切に取り扱うため、これらの通報等への対応手続に関する事項を定めることにより、通報者等の保護を図るとともに、事業者の法令遵守等を推進することを目的とする。

(定義)

第2条 この告示において「外部の労働者等」とは、次に掲げる者をいう。

(1) 通報内容となる事実に関係する事業者に雇用されている労働者、当該事業者を派遣先とする派遣労働者及び当該事業者と契約関係にある事業者(以下「取引先事業者」という。)の労働者

(2) 通報内容となる事実に関係する事業者及び取引先事業者

(3) 通報内容となる事実に関係する事業者及び取引先事業者の役員

(4) 通報の日前1年以内に前3号に規定する者であった者

(5) 前4号に規定する者のほか通報内容となる事実に関係する事業者の法令遵守等を確保する上で必要と認められる者

2 この告示において「通報」とは、法に基づく通報対象事実又はその他の法令違反等が生じ、又はまさに生じようとしていると思料して、その旨を知らせることをいう。

3 この告示において通報制度等に関する相談を「相談」といい、「通報」及び「相談」を併せて「通報等」という。

4 この告示において「通報者」とは通報をした者をいい、「通報者等」とは通報又は相談をした者をいう。

5 この告示において「受付」とは、本町に対してなされた通報又は相談を受けることをいう。

6 この告示において「主管課」とは、通報内容となる事実に関する事務を所掌する課等をいう。

7 この告示において「通報者等を特定させる事項」とは、通報等をした者が誰であるかを排他的に認識することができる事項をいう。

8 この告示において「不利益な取扱い」とは、通報等をしたことを理由とする本町、本町職員等、事業者又は事業者の役職員等からの、懲戒処分その他の不利益な取扱いをいう。

(通報・相談窓口)

第3条 外部の労働者等からの通報等に係る事務に対応するため、総務課に通報・相談窓口を設置する。

2 通報・相談窓口は、次に掲げる事務を取り扱う。

(1) 通報等の受付に関すること。

(2) 通報者等との連絡調整に関すること。

(3) 主管課との連絡調整に関すること。

3 通報・相談窓口を経由せず、主管課に対して直接通報等があった場合、当該主管課は当該通報を通報・相談窓口に取り次ぎ、通報・相談窓口は当該通報等を次条の通報等と同様に受け付ける等の対応をとるものとする。

(受付の範囲及び取扱い)

第4条 本町は、外部の労働者等からの次に掲げる事実についての通報を受け付けるものとする。

(1) 法に基づく通報対象事実

(2) 前号に定めるもののほか、法令に違反する行為に関する事実(当該違反行為について処分又は勧告等をする権限を有する行政機関がある場合に限る。)

(3) 前2号に定めるもののほか、事業者の法令遵守等の確保及び法令等の適正な執行のために必要と認められるその他の事実

2 前項の規定により受け付けた通報の内容について、処分又は勧告等をする権限を他の行政機関が有するときは、本町は、当該他の行政機関を通報者に対して遅滞なく教示するものとする。

3 本町は、通報等があったときは、法及び地方公共団体向けガイドラインの趣旨を踏まえ、誠実かつ公正に通報等に対応し、正当な理由なく通報等の受付を拒まないものとする。

4 本町は、匿名による通報等についても、実名による通報等と同様の取扱いを行うよう努めるものとする。

(受付手続)

第5条 通報・相談窓口は、通報等を受け付けたときは、通報等に関する秘密保持及び個人情報の保護に留意しつつ、通報等への対応に必要な事項を通報者等に確認するものとする。ただし、通報者等の同意が得られない場合その他確認に支障がある場合は、この限りでない。

2 通報・相談窓口は、通報等を受け付けたときは、次に掲げる事項を通報者等に説明するものとする。ただし、通報者等が望まない場合、匿名による通報等であるため通報者等への説明が困難である場合その他やむを得ない理由がある場合はこの限りでない(以下、次項第9条第2項及び第10条第2項に規定する通知、並びに次条第1項及び第8条第1項に規定する教示においても、同様とする。)

(1) 通報等に関する秘密は保持されること。

(2) 個人情報は保護されること。

(3) 通報受付後の手続の流れに関すること。

3 前2項において、書面、電子メール等、通報者等が通報等の到着を確認できない方法によって通報等がなされた場合には、通報等の到着を確認次第、通報等を受領した旨を通報者等に対して遅滞なく通知するよう努めるものとする。

(受付時の対応)

第6条 通報・相談窓口は、通報を受け付けたときは、本町ではなく他の行政機関が通報内容について処分又は勧告等をする権限を有する場合には、当該他の行政機関を通報者に対して遅滞なく教示するものとする。

2 前項の場合において、通報者からの通報に、個人の生命、身体、財産その他の利益に重大な影響を及ぼす可能性のある内容が含まれている場合には、通報に関する秘密保持に留意しつつ、個人情報の保護に関する法令等も踏まえ、当該他の行政機関に当該内容について情報提供をするものとする。

(受付後の手続)

第7条 主管課は、法及び地方公共団体向けガイドラインの趣旨及び関係する法令等の規定を踏まえ、次の各号のいずれかに該当する場合には、正当な理由がある場合を除き、通報に関して調査を実施するものとする。

(1) 外部の労働者等が、第4条第1項各号に掲げる事実が生じ、又はまさに生じようとしている旨を当該事実について処分又は勧告等をする権限を有する本町に対し、次に掲げる要件のいずれかを満たして通報する場合

 当該事実が生じ、又はまさに生じようとしていると信ずるに足りる相当の理由があること(以下「真実相当性の要件」という。)

 当該事実が生じ、又はまさに生じようとしていると思料し、かつ、次に掲げる事項を記載した書面を提出すること。

(ア) 通報者の氏名又は名称及び住所又は居所

(イ) 当該事実の内容

(ウ) 当該事実が生じ、又はまさに生じようとしていると思料する理由

(エ) 当該事実について法令に基づく措置その他適切な措置がとられるべきと思料する理由

(2) 通報が真実相当性の要件を満たしているかどうかが直ちに明らかでない場合においても、個人の生命、身体、財産その他の利益に重大な影響を及ぼす可能性が認められる場合

2 主管課は、調査を実施する場合はその旨(次項の期間を設定した場合にはその期間を含む。)を、調査を実施しない場合(情報提供として受け付けることを含む。)はその旨及びその理由を、通報・相談窓口に回答するものとする。

3 主管課は、当該通報への対応手続の終了までに必要と見込まれる期間を設定するよう努めるものとする。

4 第2項の規定による回答を受けた通報・相談窓口は、公益通報又はそれに準ずる通報等として調査を実施するときはその旨を、調査をしない場合はその旨を、通報者に対し遅滞なく通知するものとする。

(教示)

第8条 他の行政機関が処分又は勧告等をする権限を有することが明らかになった場合は、主管課は、当該他の行政機関を、通報者に対して遅滞なく教示するものとする。

2 主管課は、前項の場合において、通報に、個人の生命、身体、財産その他の利益に重大な影響を及ぼす可能性のある内容が含まれている場合には、通報に関する秘密保持に留意しつつ、個人情報の保護に関する法令等に従い、当該他の行政機関に当該内容について情報提供をすることができるものとする。

(調査の実施)

第9条 主管課は、通報に関する秘密を保持するとともに、個人情報を保護するため、通報者が調査等の対象となる事業者及びその関係者に特定されないよう十分に留意しつつ、速やかに必要かつ相当と認められる方法で調査を行うものとする。

2 主管課は、適切な法執行の確保及び利害関係人の営業秘密、信用、名誉、プライバシー等の保護に支障がある場合を除き、調査の進捗状況を通報者に対し、適宜通知するとともに、調査結果を可及的速やかに取りまとめ、その結果を遅滞なく通知するものとする。

(調査結果に基づく措置)

第10条 主管課は、調査の結果、第4条第1項各号に掲げる事実があると認めるときは、速やかに法令に基づく措置その他適切な措置をとらなければならない。

2 主管課は、前項に規定する措置をとったときは、その内容を、適切な法執行の確保及び利害関係人の営業秘密、信用、名誉、プライバシー等の保護に支障がない範囲において、通報者に対し、遅滞なく通知するものとする。

(協力義務等)

第11条 本町は、法に基づく通報対象事実又はその他の法令等に違反する事実に関し、処分又は勧告等をする権限を有する行政機関が本町の他にもある場合においては、当該行政機関と連携して調査を行い、措置をとる等、相互に緊密に連絡し協力するものとする。

(秘密保持及び個人情報保護の徹底)

第12条 通報等への対応に関与した職員(通報等への対応に付随する職務等を通じて、通報等に関する秘密を知り得た者を含む。以下同じ。)は、通報等に関する秘密を漏らしてはならない。

2 通報等への対応に関与した職員は、当該対応手続において知り得た個人情報の内容をみだりに他人に知らせ、又は不当な目的に利用してはならない。

3 通報等への対応に関与した職員は、通報等に関する秘密保持及び個人情報保護の徹底を図るため、通報等への対応の各段階(通報等の受付、教示、調査、措置及び通報者等への結果の通知の各段階をいう。以下同じ。)及び通報等への対応終了後において、次に掲げる事項を遵守しなければならない。

(1) 情報を共有する範囲及び共有する情報の範囲を必要最小限に限定すること。

(2) 通報者等を特定させる事項については、調査等の対象となる事業者及びその関係者に対して開示しないこと(通報対応を適切に行う上で真に必要な最小限の情報を、次号に規定する同意を取得して開示する場合を除く。)

(3) 通報者等を特定させる事項を、情報共有が許される範囲外に開示する場合には、通報者等の書面、電子メール等による明示の同意を取得すること。

(4) 前号に規定する同意を取得する際には、開示する目的及び情報の範囲並びに当該情報を開示することによって生じ得る不利益について、通報者等に対して明確に説明すること。

4 通報等への対応における秘密保持及び個人情報の保護に関しては、前3項に定めるもののほか、個人情報の保護に関する法令等に従うものとする。

(利益相反関係の排除)

第13条 職員は、次の各号のいずれかに該当する場合は、通報への対応に関与してはならない。

(1) 法令違反行為等の発覚や調査の結果により実質的に不利益を受ける者

(2) 通報者又は被通報者と親族関係にある者

(3) 通報に係る事案に関する公正な調査や措置等の検討又は実施を阻害し得る者

2 通報・相談窓口の担当職員は、自らが前項各号のいずれかに該当する通報を受け付けた場合は、他の職員に引き継ぐものとする。

(通報者等の保護)

第14条 本町は、第12条の規定に正当な理由なく違反した職員に対しては、懲戒処分その他の適切な措置をとるものとする。

2 主管課は、通報等への対応が終了するまでの間、必要に応じて、通報者等が不利益な取扱いを受けていないか確認するものとする。

3 本町は、通報対応の終了後においても、通報者からの相談等に適切に対応するとともに、通報者等が、通報等をしたことを理由として、事業者から解雇その他不利益な取扱いを受けていることが明らかになった場合には、消費者庁の公益通報者保護制度相談ダイヤル(一元的相談窓口)、岩手労働局等を紹介するなど、通報者等の保護に係る必要なフォローアップを行うよう努めるものとする。

(通報等の関係文書の管理)

第15条 公益通報に係る記録及び関係資料については、保存期間を当該公益通報に係る処理が終了した日の属する年度の翌年度の4月1日から起算して5年間保存するものとする。

(補則)

第16条 この告示に定めるもののほか、法に基づく公益通報又は公益通報に準ずる通報に関し必要な事項は、別に定める。

この告示は、令和5年4月1日から施行する。

岩泉町における外部の労働者等からの公益通報制度実施要綱

令和5年3月20日 告示第32号

(令和5年4月1日施行)