民俗資料収蔵展示室(本館2階)

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 豊かな自然に囲まれた岩泉町では、昔から地域の自然をいかした暮らしが営まれていました。 民俗資料はそうした暮らしを語る道具であり、また、地に根ざした暮らしが生み出す地域オリジナルの知恵や技術、文化を知ることができます。

 ここでは、資料館が収蔵しているさまざまな民俗資料をできるだけ多く見ていただけるよう収蔵展示をしています。 収蔵展示室は三室あり、収蔵展示室1では主に温湿度管理が必要な漆器や布製品、収蔵展示室2では主に生活用具(家具調度、炊事用具、編組製品など)、収蔵展示室3では主に農具や漁具、山樵用具など生業にかかわる道具を収蔵しています。

 資料整理や諸作業により収蔵内容は予告なく変わることがあります。詳しくはお問い合わせください。
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主な収蔵展示資料


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帽子

マダ(シナノキ)の皮とカヤの穂であまれた帽子です。マタギなどの帽子としても知られています。

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腰みの

山へ入るときなどに草の露などをよけるために腰に巻かれたもの。マダ(シナノキ)製。

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すね当て

山へ入るときなどに脛を保護するために脛に巻くもの。ガマ製。ガマは軽くて水気につよい草です。

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ヤマブドウの皮で編まれた袋。肩から提げ、さまざまな場面で使われました。ヤマブドウの皮は手に入りやすく丈夫な素材としておおく使われています。

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鉄鍋

煮炊きに使われた鉄鍋。囲炉裏での調理には欠かせませんでした。大家族の炊事用に大きな鍋が多いのも特徴です。

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飯櫃

鉄鍋で炊いた飯類を入れておくための櫃。囲炉裏での炊事は手がかかることもあり、一度にたくさんの飯を炊きそれを一日かけて食べるのが普通でした。

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せんべい焼き

せんべいは手軽にできるおやつのひとつ。練った小麦をはさみ、囲炉裏で焼きます。

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ざる

いろいろな洗い物やすすぎものに使われます。こちらも大振りなものが多いのが特徴です。

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ろうそく立て

明かり用のろうそくを立てたろうそく立て。

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油すず

油を入れておくための壷でこれは整髪用の油を入れたものだと言われていています。油は貴重でしたが嫁入りにはこうした壷にいれ、持たせることもあったそうです。

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ホラガイ

ホラガイというと巻貝をイメージしますが、岩泉地方ではキリで作られることが主でした。ホラガイはオオカミ追いや一揆の合図などに使われたといいます

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屏風

家具調度類。

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漁網

川漁でつかわれた投網。山がちな岩泉地方では川魚は今も昔も身近な資源のひとつです。

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イカツノ

イカ漁に使われる疑似餌。シカの角やウシの角で作られました。ウシの角は特に海中での光具合がイカ釣りによかったと言われています。

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マドノコ

木を伐るための鋸で、歯にあいた”窓”によっておがくずが効率的に排出され、木が伐りやすい仕組みです。山仕事は今も昔も岩泉地方の重要な産業のひとつです。

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コビキノコ

丸太を板に挽くための鋸です。広い刃幅によって曲がることなく木を挽くことができました。

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牛乳缶

牛から絞った牛乳出荷する際に使われたもの。岩泉地方は酪農の里ともいわれ、明治乳牛の工場もありました。出荷のため缶を持ち寄る様子が写された写真も残っています。

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天びん棒

てんびんはかつてものを運ぶために欠かせないものでした。両側に桶などをかけて使います。かける部分が自然木の枝を利用して作られているのが岩泉らしい資料です。

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電話

電話は全戸にあるものではなく、何軒かにのみあるもでした。左のラッパ状のものが話口。それを手にとって耳にあて、本体にむかって話ます。