記事番号: 1-249
公開日 2023年08月01日
更新日 2024年03月21日
香りのマナーと香害について
柔軟剤や芳香剤、香水など、様々な香り製品がありますが、その香りの感じ方は人それぞれです。自分にとってはいい香りでも、他の人は不快なにおいに感じることもあり、頭痛や吐き気など、体調を崩す場合もあります。
最近では、柔軟剤や洗剤、芳香剤の香りに苦しむ人が増えており、「香害(こうがい)」と呼ばれています。
「香害」とは、化粧品や香水、合成洗剤、柔軟仕上げ剤などに含まれる合成香料(化学物質)のにおいによって、不快感や健康への影響が生じることをいいます。
合成香料を含んだ製品を使用する際には周りの方への十分な配慮をお願いいたします。
化学物質過敏症とは
化学物質過敏症は「過敏」という名が示すように、ごく少量の物質にでも過敏に反応する点ではアレルギー疾患に似ています。最初にある程度の量の物質にさらされると、アレルギー疾患でいう「感作(かんさ)」と同じ様な状態となり、二度目に同じ物質に少量でもさらされると過敏症状が出ます。時には最初にさらされた物質と二度目にさらされた物質が異なる場合もあり、これは多種化学物質過敏症と呼ばれます。
化学物質過敏症は、アレルギー疾患のような性格だけでなく、低濃度の化学物質に繰り返しさらされると、体内に蓄積して慢性的な症状が出るという中毒性疾患に近い性格も兼ね備えています。
主な症状
症状は人によって異なり、広範囲の症状が現れることが特徴です。代表的な症状としては、頭痛やめまい、吐き気、目やのどの痛みなどがあります。
このような症状で明らかな体調不良にもかかわらず、はっきりと診断されるまで時間がかかることで、周囲から理解されずに苦しむ方が多い病気と言われています。
「化学物質過敏症」と思われる症状の場合でも、他の中毒やアレルギーといった疾病であることがあります。まずは、最寄りの医療機関のアレルギー科など、各症状に応じた専門医へご相談ください。
ご理解とご配慮のお願い
「香害」については、確実な治療方法や予防方法が分かっていません。有効な方法としては、原因となる化学物質にさらされないこととされています。
化学物質過敏症で苦しんでいる方やまだ発症していない方を守るためにも、「化学物質過敏症」へのご理解と公共の場など、人が集まるところでは、多くの方に化学物質過敏症について知っていただき、ご理解いただくこと、また私たちができる身近なことから、合成洗剤や柔軟剤、香水などを使用する際は、使用量が過度にならないようにするなどのご配慮をお願いいたします。
参考
厚生省長期慢性疾患総合研究事業アレルギー研究班 「化学物質過敏症 ~思いのほか身近な環境問題~」[PDF:1.24MB]
相談窓口
認定NPO法人化学物質過敏症支援センター(外部リンク)